あこがれて、おっかけて──ブラジルの鼓動に触れるまで、サンバの熱に浮かされたい

あこがれて、おっかけて──ブラジルの鼓動に触れるまで、サンバの熱に浮かされたい

1. 「おもしろさ」の変化
2. 「サンバは、進化し続けている!」
3. ブラジル人との出会いと衝撃
4. 「続いてほしい」場のバランスとチューニング
5. 1ミリでもブラジルに近づきたい。

よっしーのキーワード – palavras-chave de Yosshy –

いいほうにまわっていく 今のシーン こつこつ ただそれが楽しい 出町サンバ パーカッション パゴーヂ ブラジル人コミュニティ ポルトガル語 めちゃくちゃかっこいい


インタビュー 2025.11.24
公開日 2026.4.19

──いま、よしさん(*)がかかわっておられるブラジル音楽関係の活動の全体像を教えてください。
(*仲間うちでは「よっしー」と呼ばれていらっしゃることが多いです)


よっしー 一番の中心は、出町サンバパゴーヂですね。あとは、月1のガウーショでのパゴーヂ。ショビでのデンパゴ。それから最近、大阪のパーカッショニストやボーカリストと練習会してるのと、あとはなにかおもしろそうなイベントがあったら行ってみたり。みたいな感じですかね。

「おもしろさ」の変化

──一貫してサンバにのめり込んでいらっしゃる印象がありますが、どうやってサンバにたどり着いたんですか?

よっしー 昔から音楽がすごい好きで、高校生のときはバンドをやってたりもして。パンクとかヒップホップとかが好きだったんだけど、就職して仕事で知り合った友だちが自分の知らないいろんなかっこいい音楽を教えてくれたなかに、ブラジルやキューバの音楽があったんですよ。バーデン・パウエルとか。そのときにブラジル音楽が特別好きになったわけではなかったんだけど、「うわ、かっこいいなぁ」って。そのへんが、ラテン系の音楽に興味を持ったきっかけかな。


──そこから、どんな流れでサンバを演奏されるようになったんですか?


よっしー もともと広島出身で、そこから仕事で京都に出てきたときにはバンドも楽器もまったくしてなかったんだけど、京都に友だちもいないし、「なんかやりたいな」と思って、コンガを買ったんすよ。

で、習いに行ってたんだけど、ほんまにそれはただのレッスンだったんで、そこまでガッツリのめり込むこともなくて。「もっと仲間と一緒にできるようなことがいいなぁ」と思っていろいろ調べてたら、VIVA LA MUSICA! のHPを見つけて。


よっしー それからしばらくの間は、お店のオーナーさんがキューバ音楽もやってたから、教えてもらったりとか、ビバでアフリカ音楽のサークルみたいなのがあったから、それに参加してみたりとかしてて。そのころはそうやって、友だちと一緒に集まるのが楽しくて、楽器をやり込んでたわけではないね。


そうこうしてるうちに、お店で出会った人たちの影響を受けて、当時毎週火曜日にやってたパゴーヂ(今の出町サンバ)に行ってみたのが始まりですね。そのときも、べつにサンバに強い興味があったわけじゃなかったけど、おもしろそうだなって思って。

サンバのいろんな打楽器の叩き方を教えてもらって、今思えば当時は全然できてなかったと思うけど、そのときはわりととっつきやすい印象だったんすよ。

それが、いまから15, 6年前くらいかなぁ。


──サンバの打楽器がとっつきやすいと感じたのは、もともとコンガをされてたからですか?


よっしー キューバやアフリカの音楽って、リズムがね、めちゃくちゃ複雑で、すごい難しいなって思ってたんすよ。それにたいしてサンバは、すごいシンプルに感じて。今はむしろめちゃくちゃ難しいと思うけどね、その当時はそう思った。歌や曲がキャッチーな感じで、それもハマったポイントだったかな。

それと、みんなで弾いて、叩いて、歌って、飲んで、みたいな感じだったから、「楽しいなー」と思って。まわりみんな優しかったし。



──そこから、のめり込んでいったんですか?


よっしー ド平日の火曜日だったけど、しょっちゅう12時とか1時くらいまでやってたね。仕事終わって、そっから行って、夜遅くまでやって、その帰りにラーメン食べて。で、次の日仕事行く、みたいな(笑)。

そのときは、バールでもやってたから、週2でパゴーヂ行ってたね。


──なかなかハードですね……


よっしー 若かったから(笑)。いまは絶対無理だけど。そんな感じで、出町(サンバ)はずっと行ってますね。


──ガウーショでのパゴーヂは、この1年くらいですよね。シュハスコのレストランで、月1回「パゴーヂの日」を設けて演奏させてもらって。


よっしー お店のスタッフやその関係の人とか、あとは観光で日本に来てるブラジル人やいろんな国の人もお客さんとして来てくれて、踊ったり歌ったりしてくれるのが楽しいね。

当たり前かもしれないけど、お客さんによって「響いてんなー」って思うアーティストや年代が違うから、セットリストをどうするのがいいか毎回悩むところでもあるし、どんな形態でガウーショでのサンバをやるのがいいか、この1年模索してきて、いま2年目に入ったって感じですね。


──次はデンパゴについて。これはいつから行き始めたんですか?


よっしー ビバでのパゴーヂに行き始めてから2,3年後ぐらいかなぁ。ホストのDENさんがめっちゃすごくて、できるだけ近くで学びたいと思うから、とくに最近はほかの予定を差し置いてでも行こうとしてるね。あんなすごい人が日本にいるなんて奇跡だなと思って。もちろんその場がめっちゃ楽しいというのがあるんだけどね。

──サンバを軸にいろんなところにかかわられていますが、どういうところにおもしろさを感じますか?

よっしー そうねぇ……「なににおもしろさを感じるか」って、やっぱり自分のなかでも変わってきてるね。たぶん、3段階くらいあると思ってて。

最初サンバを始めたとき、タンタンをやらせてもらえたんすよ。やる人がそんなにいなかったから。タンタンって、けっこう存在感あるじゃないですか。音もしっかり鳴るし。だから、「いいなぁ、やってる感すげぇあるし」「叩いてて、超気持ちええなぁ、この楽器」って思って。


──なるほど。


よっしー しばらくはタンタンばっかりで、ざっくり5年間ぐらいは太鼓しかやってなかったと思う。これが1段階目。


そのうち、いろんな人に「歌ったらいいのに」って言われて。それでも、歌は聴くだけ、自分は叩くだけで、声をかけられてもひたすら拒否してたんだけど。


でも、サンバって「歌が主役」みたいなとこあるじゃないですか。やってるうちに、「この人(歌い手)好きやな」とか、やっぱ出てくる。

そんなときに、「めちゃくちゃかっこいいな!」って思うアーティストに出会ったんすよ。しかも、たぶん、まわりで歌っている人がだれもいない。

「あ、これ、かましたらちょっといいかもな」って(笑)。


で、歌を歌うようになったのが、2段階目。

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