波と音楽を追いかけてたら、サンバが流れこんできた

1. Gloria Estefan との出会い
2. 押し寄せるサンバが連れてきた世界
3. ”浮き沈み”の「波」に乗る
4. スタジオが、とにかく楽しい。
5. 「俺は、サンバだぜ。」


「俺は、サンバだぜ。」

──橋本さんにとって、サンバを中心とした音楽活動はご自身の人生のなかでどのようなものと感じていらっしゃいますか?

はしもと まぁ「ただそれが好きだから、今も続いてる」っていう感じかな。

音楽はね、やっぱりつねに好き。ブラジル音楽のなかではほぼサンバしか聴いてないけど、かと言ってサンバだけにこだわってるわけじゃないし、サルサも含めてラテン系は全般的に好きやね。

サーフィンもずっと続けてるけど、「サーフィン=人生」みたいにも思ってないしね。あんまりそこまで深く考えないですよ。「なんかそこにいつもふわっとあるもの」みたいな感じ。だからサーフィンだって、そんなすごいとこにチャレンジしてるわけでもないし、サンバだってそこまで突き詰めてやってやろう、みたいな野望もないし。一人で弾いて歌ってても、「あ、これ歌えるようになった」とか思うとなんか嬉しいやんか。


──そうですね。


はしもと まぁだから、楽しいからやってるだけかな。で、練習して、あけみサンバのスタジオ練習になったら、それはそれで楽しいし。パゴーヂ行ったら楽しいし。

サンバに出会ったときは「サンバサンバ!」ってなったけど、性格的にはたぶん「命かけて」っていうぐらいでもないと思うし、そこは「適度に楽しいからやってる」っていうだけかなぁ。「楽しいから大阪行こ」「楽しいから、誰かのライブ聴きに行って刺激受けたいな」とか。

そんなもんですよ。なんかこう、ぽっーとした人間です(笑)。


──でも、その「楽しい」「楽しい」「楽しい」のこの連続が、何年も何年も続いてるってことですよね。


はしもと そうやね。まぁ、ゆるいですけどね。サーフィンも40年ぐらいやってるけど全然うまくならへんし、でもべつにそんな「すごい波に乗りたい」とかはないよね。「いつもと違うとこに行ってみたいな」っていうのは思うけどね。


──音楽も、あけみサンバで作り込むのも、ライブを観に行くのも、そこで刺激を受けたり話をしたりするのも、楽しい。いろんなところに橋本さんの「楽しいポイント」がたくさんあるんですね。


はしもと そやね。「楽しい」だけで生きてんのかもね。


──「楽しい」ということにも通じる部分があると思いますが、こうして活動されるなかで、橋本さんが大事にされてることはありますか?


はしもと まわりにいろんなブラジル音楽やってるグループがあったり愛好家がいるでしょ。そこのみんなは、自分たちがやっている音楽やその文化にこだわりを持ってやってる。言ってみれば、その人たちは、その音楽や文化を、「代表」してる。

それにたいして、俺はやっぱりサンバが好きだから、サンバを「代表」したいと思うし、「サンバって何ですか?」って言われたときに、ちょっと説明できるぐらいにはなっとかなあかんなとは思ってる。「橋本さんは何ですか?」って訊かれたら、「僕はサンバの人」です、と。「代表」って言うとちょっとおこがましいけど、「自分はサンバが好きで、サンバをやってるんです」っていう、プライドみたいなものは持ってたいなと思って。

──「自分はサンバをやっている者です」というのを、ちゃんと示せるようでありたい。


はしもと そうやね。そしたら、サンバでないほかの音楽や文化にたいして、対等であれるというか、飲まれないというか、「こっちはサンバで行くよ」って、対等に話せるかなって。

レゲエが好きな人が「俺はレゲエだぜ」って来られたときに、「俺はサンバだぜ」って言える感じではありたいなと思ってる。


──もう橋本さんは「俺はサンバだぜ」って言える感じでいらっしゃると思うんですが。


はしもと まあまあ(笑)。ちゃんともっともっと言えるようになりたいなと。それが課題っていうか、そういうふうになりたい、なろうとはしてます。


──だから、もっと新しい曲にも取り組んでいきたいと思われるんですね。


はしもと そうね。あけみサンバでは、クオリティをそれぞれ上げていくってのも、目標かもしれないですね。


──それが橋本さんにとってすごい楽しいことなんですよね。きっとほかのメンバーの方も、すごい楽しんでいらっしゃって。そのみなさんが作り込んで創り上げているから、その「楽しい!」が演奏やステージに出ているんだな、というのが、今日お話をうかがってあらためてわかりました。


はしもと いろんなライブに行って、観て、もちろん音楽的に上手な人はたくさんいるけど、自分らはバンドとして「何ができるか」って考えると、やっぱり「作り込んでいくこと」はできるのかな、って思うよね。

それぞれメンバーはプロでもないから、音楽的に足りない部分とかも許してくれるおおらかなお客さんが多いですけど、それを「楽しいな」と思って来てくれる人がまだいるんで、その人たちを喜ばすために…まぁ、喜ばすためじゃない、「自分らが喜んでるだけ」っていう感じやね。


──またライブにお邪魔させていただきたいと思います。


はしもと 今日は結局、「楽しい」しか言ってないよね。


──橋本さんが「楽しい」と思って音楽をされていらっしゃる、ということがちゃんと読者の方に伝わるように書きます。


はしもと 「この人、あほやな」みたいな(笑)


──そういうことではないです(笑)


(オワリ)



※サムネイル写真は橋本さんご提供。サーフィンでメキシコへ。

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