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京都は出町柳の「VIVA LA MUSICA!」で毎月開催される
「出町サンバ」は、かれこれ20年近く続くイベント。

ブラジルの「サンバ」を中心に、楽器を持ち寄りセッションする場で、ブラジルで「パゴーヂ」や「ホーダ・ヂ・サンバ」と呼ばれるスタイルの音楽です。



2019年にはじめて「出町サンバ」を訪れたことをきっかけに、サンバだけでなく、ボサノバやショーロ、ブラジル北東部の音楽に親しむ人たちに出会いました。

また、マラカトゥ、サンバ・ヂ・ガフィエラ、サンバ・ノ・ペ、カポエイラ、マムレンゴなど、多彩な文化を愛する人たちの存在も知りました。

そこから、よりブラジル文化やポルトガル語への関心が深まり、在ブラジル・在日本のブラジルルーツを持つ人たちとの出会いにもつながっていきました。





気さくで、陽気で、おもしろい人たちに囲まれて過ごすなかで、あるとき、ふと、「
自分はその人たちのほんの一面しか知らない」ということに気がつく
瞬間がありました。



もちろん、人となりを深く知らなくても、一緒に音楽することはできます。

ただ、生まれた場所も背景も経験も考え方もすべて違う人たちが、「ブラジル音楽/文化」という一点で出会い、
まじわり、そこでさまざまな化学反応が起きているというのは、あまり
こういう言葉を使うのは性に合わないのですが、なんというか、やはり「奇跡的」なことの
ように思えます。


だからこそ、なぜ「その人」はブラジル音楽にたどりついたのか。どのような面白さを感じ、どんな経験を重ねて、いまここに”在る”のか。その”奥行き”を、ほんの少しでも知りたい
── そうシンプルに思ったが、2023年のことでした。











そうした思いを抱えながら日々を過ごしていたころ、あるとき、「どうしても音楽がやりたいと思えない」苦しい時期が訪れました。

自分自身を探り、人と対話するなかで、「音楽を通して出会ってきた人たちは、どんな思いで、なぜいまも音楽を続けているのだろう」という、かつて抱いた問いが再び浮かび上がってきました。



「話を聴かせてください」


実際は、それだけで十分なのだと思います。



これまで壁にぶつかるたびに、多くの人に話を聴いてもらいました。そして、その人の経験やそこから得た学びを、たくさん分けてもらいました。それに支えられて、また次の一歩を進めることができた──

そんなことの繰り返しでした。



人の話を聴き、その世界にふれることで、自分の見ている世界は耕されていきます。

その人の経験や言葉が自分のなかの「なにか」を刺激したり、抱えている悩みや戸惑いに響いて、ときに勇気を生むこともあります。



これまで分けてもらった、その人の歩みやそこから生まれた気づきと言葉は、自分ひとりで抱えるにはもったいないくらいのものばかりで、だれかに伝えたくなるような瞬間が何度もありました。



だから、もしも許されるのなら、その人の物語を聴かせてもらい、言葉として残すことで、自分以外のだれかにとっても、自身の世界を小さく開くきっかけにしたい。


そう考えて、インタビューというかたちで取り組むことにしました。





人の数だけ、音がある。

音の数だけ、人生がある。



京都でつづくパゴーヂのホーダ(輪)にはじまり、そこから広がっていく世界と出会いを、インタビューを通じて紡いでいきたい。



MIL SONS MIL VIDAS 

~ da roda pro mundo ~



(幾千の音、幾千の人生〜ホーダから世界へ〜)




を、ここに始めました。


2025.11.1
MIL SONS MIL VIDAS 運営者