波と音楽を追いかけてたら、サンバが流れこんできた

1. Gloria Estefan との出会い
2. 押し寄せるサンバが連れてきた世界
3. ”浮き沈み”の「波」に乗る
4. スタジオが、とにかく楽しい。
5. 「俺は、サンバだぜ。」


押し寄せるサンバが連れてきた世界

──高中正義からラテン音楽を知って、ご自身として「こっちが好き」というのが見つかったところで、カポエイラに出会ったんですね。

はしもと そこで、今も出町サンバに来てるブラジル人と出会った。そいつが、あるとき、カヴァキーニョを持ってきて、カポエイラの練習終わってから弾いとってんな。


「それ、何?」
「カヴァキーニョ」
「ウクレレと一緒やん(笑)」って。


高校卒業してから、実はウクレレを弾き始めて、バンドとかもちょっとやってたんよ。だから、「これやったら弾けるかもな」って。それがサンバとの出会い。


はしもと もうそっからは、「サンバサンバ」ってなってね。「サンバ、どこでやってんねやろ」って探して探して。今のあけみサンバのメンバーが当時京都でやってたサンババンドのライブを観に行ったり。「うわ、いいな」と思ったよね。

ビバラ(VIVA LA MUZICA!)でもやってるよ」って聞いたのもそのころで。当時は毎週火曜日にパゴーヂやってはってね。買ったばかりのカヴァキーニョ持って行ったら、「うわ、やっと弦(楽器)の人が来た」みたいな感じで(笑)。それまでは打楽器が中心だったみたい。

あと、カイピリーニャでもパゴーヂやってたから、そこ行って学ばせてもらって。


──ご自身が好きな音楽の「匂い」を嗅いでいるうちに、サンバに出会って、それ以来サンバにどっぷり浸かるようになったんですね。


はしもと そうそう。

そうやって、あっちこっちサンバやってる場所を聞いては行って、ってしてるときに、ゴーディの先輩たちが、沖縄のサルサバンドのライブを観に行かはったんね。帰ってきたら、「サルサバンドも良かったけど、サンバで『バランサ』ってグループが来てて、めちゃめちゃ良かった」みたいな話をしてて。

「へえ、そんなんええなぁ」と思ってたら、ちょうどその後で、カイピリーニャにバランサが来るっていうから、カポエイラで使ってたパンデイロだけ持って観に行って。そんとき、初めてDENさんにおうたなぁ。


そのあと、デンパゴが始まって。まだ1回目とか覚えてんねやけど、まあいろんなとこからけっこう人来てはったわ。神戸からも来てたかな。ほんで俺初めてやし、1曲だけ、Paulinho da Viola の「Argumento」を覚えて、「1曲…僕も歌っていいですか?」って。「いいよ〜、頑張りなよ〜」とかDENさん言われて。

Paulinho da Viola 「Argumento」


はしもと そっからもう「必ず行こう」と思って、ほぼ毎回行ってるなぁ。この間デンパゴ90回を超えたけど、休んだのは3, 4回くらいと思う。「デンパゴで、次はこの曲を覚えていこう」って、自分のなかでサイクルを作ってやってね。ビバにも行って、そこでもおさらいして。

そうこうしてるうちに、だんだん仲間も増えてったなぁ。


──橋本さんのなかで、サンバの流れができあがっていったんですね。


はしもと そのへんが、ほんまにいっぺんに来た感じやね。どかどかどかどかーって、一緒くたになってやってきたわけよ、俺のなかに。もう「サンバやりたいやりたい!」っていう気持ちがすごくて。ほんまにいろんなとこ行ったね。

これが、30代くらいの話。スリランカに行って、プエルトリコの話聞いて、そのあとカポエイラに出会って。カポエイラは週3〜4回くらい、甲西や彦根、伊賀とか松阪にも出稽古に行ってたかな。結局10年くらいはやってたと思う。

──そうしたら、生活がカポエイラとサンバ、そしてサーフィンで埋め尽くされていたんですね。

はしもと サーフィンのおかげでいろんな場所に行くきっかけになったし、でも行くにしても、やっぱ音楽があるとこに行きたいんよね。ドミニカ、コスタリカ、カーボヴェルデ、メキシコにも行ったなぁ。

でも、ブラジルは行ってなくて。俺が遠出できるのは京都が閑散期の2月なんやけど、2月はブラジルではカーニバルの時期。人も多いし、高いし、街角のパゴーヂも少なくなるから、あんまりその時期に行くのは…って思ってね。だから、ブラジルはまぁええかな。

カーニバルで言えば、日本では浅草サンバカーニバルに2回行ってて。1回目は自分も参加して、2回目は観に行った。2回目に観に行ったのは、稲見さんっていう関西サンバの重鎮みたいな方がいたんやけど、亡くならはったのね。もう俺らほんまに稲見さんからしたらもうポッと出てきたぺーぺーなのに、デンパゴとかでもけっこう一緒に遊んでもらったり、いろいろ声かけてくれはったりして。で、その稲見さんをテーマにして、「カンタブラジル」(カイピリーニャのサンバチーム)で出場したから、観に行きたいなと思って。参加メンバーの子守り役としてね(笑)。


──歴史が移ろってきたのを感じます。

はしもと サーフィンやカポエイラもそうやけど、サンバにかんしてはおかげさまで、すごいいろんな人と出会いがあってね。やっぱ音楽好きやし、関西でライブがあったらできるだけ行ってるし、関西以外のサンバ好きにも会いに行ったりするしね。そんなんで、いろんな人と知り合いになるしなぁ。


──言葉にされているのを橋本さんは体現していらっしゃる感じがします。いろんな人に気さくに話しかけて仲良くなって、いろんなところでご縁を広く作っていらっしゃるんだなって。


はしもと 自分自身が今までいろんなとこ行って、受け入れられたりしてもらってたから。やっぱり、新しい人とか来てはったら声かけてあげようってなるかな、って感じでね。やっぱ開かれてるといいな、って思うよね。

──橋本さんが人と出会ったり、受け入れたり受け入れられたり、というのがたぶんお好きだし、大事にもしたいと思っていらっしゃるのを、とても感じます。

1 2 3 4 5