

1. スタートは、楽器作り
2. マムレンゴは、いろいろ”都合が良かった”
3. プレーヤーとオーディエンスの曖昧な関係性
4. 雑に楽しみたい
5. リスペクトはするけど、配慮はしない
6. サンバのできる老人ホーム
プレーヤーとオーディエンスの曖昧な関係性
──今はサンバにどっぷり浸かっていらっしゃる印象です。
じゅんぺー 入り口はマムレンゴのためだったけど、今は普通にサンバやカバコが楽しくてやってる感じやな。
マラカトゥとか Ave でやってる音楽のいくつかは、もうガチガチの宗教音楽やねんか。だから、ある種のかかわりにくさというか、文化的な”重さ”みたいなものがある。なにも知らなかったら音楽だけで楽しめるけど、掘り下げていくほど宗教の話になる。
それと比べると、パゴーヂ自体には宗教性はない。とくに庶民のパゴーヂは、ただただ楽しくやっている音楽やから、そういう気軽さがいいなと思った。

じゅんぺー あと、マラカトゥって、基本的に現地だと男しか太鼓叩けへんかったりするんよね。そのくらい明確に厳しさがあって。でも、パゴーヂは性別で参加できるできないとか、そういう世界じゃない。
だから、マラカトゥとかから入った人間からすると、気楽にみんなで楽しくワイワイできる音楽やな、とは思う。
──「気軽にできる」というのが、パゴーヂに惹かれる理由?
じゅんぺー そうね。「だれがプレーヤーで、だれが観客か」みたいなのが明確じゃなくて、一緒に歌いたくなったら歌ったらいいし、楽器を持ってきて、べつにいつでも参加したらいい、っていう、お客さんと演者との関係性が曖昧なのがとくに好き。かかわってもいいし、かかわらんくてもいいし、まあ自由にどうぞ、っていう感じやね。

じゅんぺー ぼくが好きなのに、マラニャン州で毎年6月の終わりごろに開催される「ブンバ・メウ・ボイ」って祭りがあって。
そのお祭りでは、ボーカルの人が一人いて、その人がまずアカペラで歌い始める。そんで「ここからみんな一緒に」ってタイミングで、お客さんが自分の家からおのおの持ってきた楽器を鳴らし出す。歌もみんなで歌う。メロディー楽器はなくて、コアなメンバーもいない。メインのボーカルと、お客さんが持ってきてるパーカッション、もうそれしかないわけよ。だから、ボーカルは歌うけど、あと全部「他力」で続いていく。
じゅんぺー それがめちゃくちゃ良い。演奏にかかわるハードルがめちゃくちゃ低いねんか。パゴーヂ以上に低い。
前に一度ビバで「ブンバ・メウ・ボイカラオケ」をやってみたことがあってんけど、途中からまわりのガヤが出まくって、混沌としてきたのが良かったな。次ブラジル行くんやったらブンバ・メウ・ボイを観に行きたいね。

じゅんぺー マムレンゴは演者と観客がはっきり分かれてるから、そうじゃない音楽の魅力も感じたくて、パゴーヂは参加してるって感じかな。とくに、出町サンバみたいなかたちのパゴーヂがけっこう好き。良くも悪くも、みんなが好きなことやってるだけ、っていう感じが、ぼくはやっぱ楽しいかな、って。
