もっと一緒に、もっと”雑”に、つくってひらいて、かかわって

1. スタートは、楽器作り
2. マムレンゴは、いろいろ”都合が良かった”
3. プレーヤーとオーディエンスの曖昧な関係性
4. 雑に楽しみたい
5. リスペクトはするけど、配慮はしない
6. サンバのできる老人ホーム


マムレンゴは、いろいろ”都合が良かった”

じゅんぺー ブラジルに行ったとき、カヴァロ・マリーニョを上演してる会場の1つで、マムレンゴもたまたま観れて。

カヴァロ・マリーニョもそうやけど、ブラジルの文化芸能ってやたら人が必要だったりする。でも、そういうのを人形劇としてやってしまえば、人は少なくて済む。それだけじゃなくて、人形劇という枠のなかに音楽があるから、音楽それ自体をそこまで本格的にやる必要もないし、そのなかにバッキの爆音音楽をしれっと入れてしまうこともできる。室内でもできる。

わりといろいろできるから、都合がいいなと思って。

──都合がいい。


じゅんぺー 今までいろんなジャンルの音楽をやってきたけど、人前で披露するときに「説明がつかん」と思っててんな。

たとえば、「これはブラジル北東部のお祭りでやるフレーボという音楽で……」「次は、ところ変わってこれがフォホーです」みたいなことを、お客さんに意味のわからん単語の羅列でいちいち説明して。そういうのをお客さんも求めてるわけじゃないと思うし、かといって、なにも説明せずに演奏し続けるのもなんか違う。いろいろやるのはいいけど、観てる人に楽しくブラジルを知ってもらえるような環境を作るのが難しいな、って思っててんな。

でも、マムレンゴやったら、人形劇を見てもらうことで、音楽も楽しんでもらえるし、ブラジルの雰囲気もなんとなく感じてもらえるなって。

あと、ぼくらMCがめっちゃ下手やったから、「劇のなかで人形が説明する」ってことにできて、恥ずかしさもなくなったな。

Ave covo の衣装は生地に型紙を使って染めるところから開始、その後途方もない作業を経て衣装はできた。

──いろんな「ネック」をカバーして、今までやってきたことを一番ちょうどよくやり続けることができるかたちだったんですね。じゅんぺーさんが「マムレンゴをやろう」と Ave covo の方に持ちかけたとき、みなさんの反応はどうだったんですか?


じゅんぺー 「いいやん、やろやろ!」って、思いの外みんな乗り気になってくれて。ぼくも帰国後1, 2ヶ月くらいでざっとした台本を書いたり準備を急いだから、スピード感もあったな。

初お披露目が、2019年2月の「VIVA LA MUSICA! 今出川移転3周年記念イベント」で。そのあとコロナ禍に入ったときには、ビバ(VIVA LA MUSICA!)応援の無観客チャリティーライブをやって、それを動画に撮って。やっぱりブラジル音楽とかができるコミュニティやお店ってあんまないから、大切にした方がいいなと思ってさ。

VIVA LA MUSICA! で実施&録画された、無観客チャリティーライブ動画


じゅんぺー マムレンゴのストーリーの最終目的地をリオに設定したくて、それならサンバができたほうがいいなと思って。その辺からやね、出町サンバに参加するようになったのは。


──最終的にマムレンゴに落ち着かれましたが、じゅんぺーさんをブラジルに行かせたカヴァロ・マリーニョって、じゅんぺーさんにとってどんなところがおもしろかったんですか?


じゅんぺー 検索するとよく出てくるんやけど、みんなで輪を作って踊ったり、横一列で足のステップを踏むダンスがあったりして、「こういうのめっちゃいい。これやりたい」って思っててんな。

ブラジルに行って確認したら、これはウォーミングアップみたいなもんでとくに意味はないらしい、というのがわかってんけど、みんなで一緒に楽しんでかかわれるのがこのシーンくらいだから、人気があるみたい。

輪をつくり、交代で輪の中心に引き入れ、踊り合う。



──じゅんぺーさん的には、「みんなでできる」感じが良かったんですか?


じゅんぺー それはそうやね。あと、カヴァロ・マリーニョが、「(ブラジルに)行かんとできひんな」って思うくらいにあまりに理解できひんかったってのも、なんか惹かれるもんがあったんやろね。現地で本も買ったしいろいろ教えてももらって学べたけど、まぁそれでもなんのこっちゃわからんな、っていうようなもんやねんな。

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